: インド文化

ガネーシャ・チャテュルティ

ここ一週間ほどの間、ムンバイはなかなか騒々しい毎日でした。 先々週の土曜日から本日月曜日までの10日間、インドはガネーシャ・チャテュルティ (Ganesha Chaturthi) と呼ばれるガネーシャを祭り上げる祭典の中にありました。中でもムンバイはそれを盛大にやる都市であると聞きました。 僕もこの祭りのことはよく知らないのですが、この期間中、人々はガネーシャを持ち寄ってムンバイの海岸 (Chowpatty) に投げ込むということと、夜はダンスミュージックを大音響でかけながら街を練り歩くということは学びました。 ガネーシャといえば、象の顔をした有名なヒンズー教の神様ですが、ヒンズー教の最高神の一人であるシヴァとその妻パルバティーの子供として生まれました。父の顔を知らないガネーシャはパルバティーの頼みで家の見張りをしていたのですが、そこへシヴァが帰宅。父シヴァは家に入れまいとするガネーシャに怒り心頭し、首を切り落として遠くへ投げ捨ててしまいます。その後、それが自分の息子だとパルバティーから聞いたシヴァは首を探すのですが見つからず、代わりに象の首をガネーシャに据え付けました。そして、そのまま現在に至る、です。 すごい話です。 そのガネーシャですが、インドではすっかり人気者で、日本でいうところの招き猫のような商売繁盛の神様として崇められています。家々にはガネーシャが祀られ、タクシーに乗ればガネーシャのミニチュアがダッシュボードの上に置かれ、観光地に行けばガネーシャの置物が大量に売られています。シヴァよりも人気があるのは間違いありません。 どうやら今回のガネーシャ・チャテュルティは、そんなガネーシャを祀るお祭りのようなのです。 これは異文化体験としては非常に興味深いものなのですが、困ったことに、連日かなりの盛り上がりを見せてしまっていたのです。踊り好きのインド人。様々なガネーシャを載せたトラックと共に、道路に大音響のトランス・ミュージックをかけ、またバクチを鳴らしながら、夜の10時あるいは11時くらいまで外で踊りまくっていました。なかなかの近所迷惑です笑。それでも、まあインドだしね、の一言で全てが納得できてしまうのですが。 ようやく今晩でガネーシャ・チャテュルティも最終日を迎え、また明日から静かな夜が迎えられそうだとほっと一安心です。

インド人家族のディナーにご招待されて

3月に入りましたが、ムンバイは日中の最高気温が既に30度を超え、まもなく本格的な夏を迎えそうです。 昨日(土曜日)はこちらで知り合ったインド人 K にご招待頂き、彼のご両親がムンバイに来るタイミングでディナーをご一緒する機会を得ることが出来ました(写真の人物とは無関係)。 K との出会いは1月中旬。ムンバイマラソンを直前に控えた週末に足慣らしのため新しく買ったシューズを履いていたのですが、たまたま街中で「いい靴だね」と声をかけられたのです。彼もちょうどマラソンを走るということで話が盛り上がり、連絡先を交換したのでした。 その後、しばらく連絡を取らずにいたのですが、ちょうど先週末に再開し食事を取る機会があり、今回のご家族ディナーへのご招待へと発展。 K は今はムンバイのコラバにある観光ガイドショップで働いているのですが、もともとはインドの北にあるパンジャブ州 (Punjab) の出身。もともとは一つの州だったのですが、イギリスからの独立の際、パキスタンとインドとに別れてしまった地域です。 彼のご両親は今もパンジャブに住んでおり、なんと今回は電車で36時間もの長旅をしてムンバイまでいらっしゃったとのこと。ムンバイ郊外にあるご親戚の家で一週間ほど過ごす予定だそうです。 もともと少人数でのささやかなディナーを想定していたのですが、実際は K のご両親、ご親戚と合わせて総勢で10名以上が参加するかなり賑やかな場となりました。そういった場に日本人の自分が一人居合わせるのもとても不思議だったのですが、皆さんには暖かく迎えて頂き感謝。といっても会話は基本的にヒンディーですし、K 以外で英語が通じる方は数名でしたので私はほとんど会話の内容は理解できなかったのですが、十分にインド家族のディナーの雰囲気を楽しませて頂きました。 インド人は宗教や出身地で食生活が違うのですが、皆さんノン・ベジタリアンでお酒も飲まれる方々だったので、私も普段通りに食事を頂きました。こう書くとインド人の家庭料理を食べたように思われるかもしれませんが、すべてメイドさんが料理していました(インド都市部の中流家庭ではメイドさんを雇うのはほぼ当たり前のようなのです)。 食事の後は、誰が言い出すまでもなく、音楽が鳴り出し家族一同で踊りがスタート。やっぱりインドだなあと思う瞬間ですね。私もちょっとだけ参加させて頂きました笑。 ところで話はそれますが、インド人は踊り好きかというと間違いなく踊り好きだと言えそうです。 週末のインド人の若者の遊び方といえばクラブに行って踊ることですし、先月まで宿泊していたホテルでの結婚式もやはり音楽が流れ参加者が汗をかいて踊っている様子をよく見かけました。ムンバイマラソンの際もコース脇では色々な団体が踊りながらランナーを応援していました。そして今回の親戚一同でのディナー後のダンス。 こうしたインドならではのダンス文化は果たしていつ頃から存在するのか、そしてインド全体で共通のものなのか、とても興味深いですね。とにかくインドでのソーシャライズではダンスは不可欠である様に思われます。 夜遅くまで楽しい時間を過ごさせて頂き、郊外から自宅に戻ったのは夜中の1時頃。普段お付き合いのあるコミュニティではなかなか得ることの出来ない貴重な経験をさせて頂きました。 観光ガイドである K との出会いで、今後もディープな経験が色々と出来そうな予感です。出会いに感謝。