青い街 ジョードプル 訪問記 #4
メへランガール砦からの街の眺めを堪能した後はそのまま市街地へ。ジョードプルがブルーシティと呼ばれる所以である青い家々を直に見てみたいと思った。
散策前の腹ごしらえとして、Vicky のオムレツ屋に立ち寄りチーズオムレツを頂いた。この記事を書いている今はその値段を忘れてしまったのだが、60ルピー(約100円)くらいだったと思う。チーズにこだわりがあるらしく、Amul (アムール)の製品を使っていると言っていた。Amul はインドにおける乳製品としては大手ブランドで、それを生産しているのは日本でいうところの生協のような組織だ。
Vicky の手元には分厚い手帳があり、それは彼のオムレツ目当てに立ち寄った旅人たちの寄せ書きだった。「地球の歩き方」に載っているだけあって、たくさんの日本人が訪れているようだった。なんだかバックパッカー的な匂いがする。
彼はオムレツ屋を営む傍らさらに新しい収入源を得るべく最近衣類の販売ビジネスもスタートしたと言う。これについても今回の旅ではエピソードがあるのだが、割愛。
オムレツを食べた後、Vicky に大まかな方向を教えてもらい、「ブルーシティ」へ繰り出した。ジョードプルの旧市街地は道が細く、そこをたくさんのオートリキシャやバイクが走り回っているので、歩くだけで埃りと排気ガスでかなり空気が汚れているのが分かる。ムンバイの大気も相当汚いが、ジョードプルの市街地はそれ以上かもしれない。
空気は汚いけれど、やはりブルーシティは美しい。そこにラジャスタン州ならではの色鮮やかな民族衣装を来た女性たちが歩いている姿を見ると、それだけで絵になる。強烈な日差しと乾いた大地、そして褐色の肌にはこうした強い色合いがとても似合う。
そしてジョードプルの様なちょっと小さな街ならではの出来事といえば、写真を撮って欲しいと言ってくる地元の人々。カメラを持つ人にとっては、インド定番の状況だ。
細かい話だけれど、インド人を撮る時、ちょっと難しいのがカメラの露出の設定。白人や僕たち黄色人種とは違って肌の色が暗めだから、少しだけ露出を上げて撮らないと表情が暗くなってしまう。そしてさらに細かい話だけど、インド人の中でも明るい肌から暗い肌まで、その人の出自によって幅が広いのでそこもまた調整が難しいところ。
ということで、青い家々を背景に撮らせてもらった大人子供の皆さんの写真を何枚かご紹介。カメラに撮ってもらいたいと言っても、やっぱり照れる人もいれば、モデルばりにポーズを決める子供まで、色々な人がいる。
日が暗くなるまで散策を楽しんだ後は、暗い夜の道をオートリキシャでホテルまで戻り、シャワーで体中の埃を落として、ビールを飲みながら静かな夜を迎えた。
2年前の旅と今回のインド赴任とを合わせて、インド国内では色々な街を回ってみたけれど、もしかするとジョードプルは色々なバランスを考えると一番のオススメの街かもしれない。メへランガール砦のような荘厳な建物から、青く美しい街並み、そしてインドにあまり慣れなていない人でもそれほど気疲れしない雰囲気とコンパクトな街。
ジョードプル、ぜひチャンスがあれば行ってみてください。暑さが和らぐ10月以降から3月くらいまでが良いと思います。