思考と習慣の格差社会

Mumbai

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Fujifilm X-T1 with XF23mm F1.4

 

今週はずっとデリーに出張中です。

インドで働いていると、超優秀な人と、普通のインド人との間に立ちはだかる格差に時に呆然となることがあります。格差とは収入の格差ではなく(もちろん結果的にそうした格差にも繋がっているのですが)、思考だとか習慣といった、人としての振る舞いを大きく左右する部分の格差です。

 

今こちらでは、クライアントのオフィスと宿泊先のホテルとの往復は、ホテルのピックアップサービスを利用しています。朝はホテルのフロントからクルマを頼めばそのまま先方のオフィスまで連れて行ってくれるのですが、帰りはこちらからホテルに電話をしてピックアップをお願いしなくてはいけません。幸いホテルからオフィスは近いので夕方の交通ラッシュでも30分弱の距離です。

ここで問題が起こっています。ホテルからの迎えのクルマが到着しても、何の連絡もしてこないのです。先日はホテルにピックアップをお願いした後、1時間以上経っても連絡がないので電話してみたところ、30分以上外で待っていると言われました。

インドは時間によって交通状況がかなり変動するので、クルマの到着時間をこちらが読むことは難しく、到着が遅れるのは日常茶飯事。したがって、到着したら到着したと言ってもらわなければ、こちらは何らかの事情でまだ来ていないと捉えるのが基本なのです。

そこで、これではこちらも困るのでホテルにお願いを入れました。到着したらドライバーにその旨を連絡してくれるように徹底してほしいと。

そして次の日、また同じ問題が起こるのです。クルマをお願いしてしばらく待って連絡がないので確認してみたら、またしてもオフィスの前で待っていると言います。今回は昨日とは別のドライバーでしたが、ホテルに依頼した事項がきちんと共有されていないのか、もっと根本的に何かがおかしいのか分かりませんが、とにかく同じ問題を何度も繰り返しているのです。そもそも、ドライバーが少しだけ想像力を発揮できたなら、ピックアップの場所に到着して誰も来なければ依頼者に確認の電話を入れてみてもいいはずです。しかしそうした事は起こらず、ピックアップを依頼されたドライバーはピックアップの場所に移動後、ただ待っているのです。

 

こうした、お願いしたことが共有されず無かったことになる、あるいは、多少気を利かせればできるはずのことができない、という現象はインドではあちこちで見られます。そしてその度に、どうしようもない無力感を抱くのです。当然本人たちは悪気はなくマジメに仕事をしているのですが、マジメに仕事をしているにも関わらずこうした状況がかなりの頻度で起こるというのは、小さい頃からの思考習慣の積み重ねの問題であるとしか思えません。

インドでは私の周りの同僚もそうですが、優秀な層は舌を巻くほど超優秀です。しかし一方で、もはやどう理解すれば良いのか分からない社会層も存在しているのも事実。インドはこうした激しい思考や習慣の格差を内包しながら国として発展していかなければいけないのかと思うと、なぜか私まで気が遠くなる思いです(少なくとも日本が高度成長を遂げた際には、こうした課題はなかっただろうと思います)。

今後も世界で活躍していくインド人はどんどん増えていくと思います。しかし、インドという国がどう発展していくのか、果たして私にもまだまだ謎の部分です。