せっかくドバイに来たので定番中の定番ですが、世界一高い高層ビルである、ブルジュ・ハリファ (Burj Khalifa) にも登りました。全高 828m とのことです。市内を巡っていてもこの建物の存在感は圧倒的で、まさにドバイのランドマークですね。登ったからといって夜景以外に特に何があるわけでもありませんが、かといって登らずにドバイを去ってはいけないような場所ですね。
2010年の開業からすでに4年以上経過していますが今も非常に人気は高く、事前のチケット予約は必須です。僕は数日前に訪問を決めたため、すでに夕刻日没の時間帯のチケットは売り切れでした。そこで少し遅い午後7:30のチケットを購入。予約時間前に現地のカウンターにて実際のチケットを受け取り、20分程度並んで展望台 (At The Top) まで辿り着くことができました。
800m を越える高さからの景色はというと、もちろん素晴らしい眺めでしたが、個人的には東京のほうが好きかなと思います。当たり前ですが、夜景の良さはその建物自身の高さだけでなく、その周辺に広がる建造物の姿形に大きく依存するので、高層ビルが遠方まで広がる東京近辺の夜景はなかなかのものだと思います。
ところで中東と言うとオイルマネーの印象が強いのですが、ドバイのオイル産出量は限られているのだそうです。
アラブ首長国連邦としては豊富な石油資源によって経済が支えられているものの、その資源のほとんどがアブダビに集中しており、ドバイはアブダビの10分の1程度の産出量なのだそうです(引用: ドバイ旅行館)。そして、ドバイの GDP に占める石油関連の収入は 4% 程度との情報もあります(引用: R25)。従ってドバイとしては、観光や金融サービスを主たる収入源とすべく、国を発展させてきたとのこと。
今回旅をしてみて、きっとそれはうまく成功したのだろうなと感じました。観光客にとっては非常に快適な場所が揃っています。その戦略的な国家の発展のあり方はシンガポールにも通じるところがあり、一つのモデルとして素晴らしいなと思います。
しかし一方で、これはあくまでも個人的な感想ですが、どうしても気になってしまうことがありました。
一つは、こうした観光地としての発展を目指そうとすると、街の姿がどこに行っても同じように感じてしまうこと。モダンなデザインの高層ビルを立てて、世界中のブランドショップを並べた姿を見ていると、わざわざこの国に来る意味はあるのかなと思ってしまいます。そして、もう一つが、多くの観光ビジネスが外国人労働者に依存していること。ドバイの市場に行っても、それを売っているのは近隣の国からの外国人ばかりなのです。京都の着物屋に行っても、そこには日本人がいない様なもので、モノは売れてもコトが売れていない感じがしました。
当然、自国の限られた資源や人口と、周辺国との経済関係を考慮すれば、こうしたビジネスに帰着するのは合理的ですし、僕もその判断をする立場であればそう判断すると思いますが、一人の観光客としては、なんとなく寂しさを感じるところです。
日本も観光立国としての発展を目指しているところですが、日本ならではの要素をきちんと残しながらも、グローバル視点で魅力ある観光地として発展させていくというところのバランス感覚やその舵取りが極めて重要ですよね。
最終日はホテルでゆっくりした後インドに戻りましたので、ドバイ関連の記事は一旦こちらで終了です。その他の写真は Behind the Phoword を是非ご覧ください。
関連記事:ドバイ #1 | ドバイ #2
ご参考: ブルジュ・ハリファの展望台 At the Top のチケット予約
http://www.burjkhalifa.ae/en/ObservationDeck/TicketInformation.aspx
: ドバイ
ドバイ2日目は、ドバイ市街地へ。昨日のデザートサファリでニュージランドから観光に来ているグループとご一緒したのですが、市内観光は “Big Bus Tours” を利用すると良いよと教えてもらいました。有益な現地情報を頂き感謝です。これは $66 (2014年8月現在) のチケットを買えば、終日市内を走る観光バスに乗り降りしながら各スポットを回ることができるというもの。タクシー移動も比較的安価にできるドバイなので、$66 はやや割高な印象ですが、こちらは2階建てバスで見晴らしも良さそうですし、おまけで博物館などのチケットも付いてくるので利用してみることにしました。
ドバイの市内観光は大きく2つに分けることができそうです。一つは旧市街と言いますか、昔ながらの市場を中心としたエリアを回るものと、もう一つは近年急速に発達したモダンな建築物を回るものです。Big Bus Tours はそれぞれのエリアに合わせ2つのルート設計になっており相互を自由に行き来可能です。
アラビア語で市場はスーク (Souk) と呼ばれます。ドバイには3つの有名な Souk があり、それぞれ Textile Souk (繊維品市場)、Spice Souk (スパイス市場)、Gold Souk (貴金属市場) と呼ばれています。いずれも近接しており互いにアクセスしやすい場所に存在しています。冒頭の写真は Spice Souk にて。スパイスといっても、インドのマサラとはまた違った感じですね。色もやや落ち着きがあります笑。
Textile Souk から Spice Souk または Gold Souk へ移動するには入江 (Creek) を渡る必要がありますが、このために Abra と呼ばれる小型の船が運行しています。これに乗るのもまた観光では定番のようでした。一人 1 AED (約30円) です。
ドバイはどこに行っても外国人労働者ばかりです。人口の 90% が外国人というデータもあります。
例えば、昨日のサファリツアーのドライバーはスリランカ出身、ホテルから市内まで送ってくれたドライバーはインドのケララ州出身、そして Textile Souk での買い物で対応してくれた売り手はパキスタン出身でした。ドバイの労働環境は過酷と聞きますが、それでも母国で働くよりは収入が良いので、皆家族を母国に置いてドバイで単身で働いているのでした。収入が良いといっても、そう簡単に帰国できるわけではないでしょうから、長期単身赴任です。インドのケララ出身のドライバーは1年から1.5年ごとに帰国しているとのこと。その覚悟たるやすごいなと思いました。
ところで、Textile Souk のパキスタン人とは最初英語で話していたのですが、途中で彼の仲間が輪に入って、彼らだけで母国語で話す場面がありました。なんだかヒンディーに近い響きだなと思ってインド出身かと思っていたのですが、念のため “Are you from India?” とは聞かず、”Where are you from?” と聞いてみたらパキスタンとのこと。インドとパキスタンはややこしい関係なので、インドと決めつけて質問せずに良かったと思った瞬間です笑。何しろ買い物の談笑ついでにお茶をご馳走になっていたので。
僕だって海外では頻繁に中国人や韓国人と間違われますが、最初からそう決めつけられるとやっぱり複雑な気持ちですからね。個人的に中国や韓国にネガティブな感情はありませんけれど、自分は日本人だっていつも思ってますから、大げさに言えば、自分のアイディンティティを毀損されたような気がするんでしょうね。比較的中立な僕ですらそう感じるので、パキスタン出身者にインド人かって聞いてしまったら、その場で怒り出すこともありそうです。
ドバイはアフリカ、欧州、アジアからのアクセスが良いので、本当に様々な国の人の姿を見かけました。日本やインドでも欧州、アジアからの観光客はよく見かけますが、ドバイは更にそこへアフリカからの観光客が加わり、非常に多層的な印象的でした。
そういう場所だからこそ、political correctness と言えばいいのでしょうか、国や文化の違いを意識しながらのコミュニケーションが大切になってきますよね。こちらに他意はなくとも、思わぬ一言が落とし穴になることもありそうです。こういった人種のるつぼ的な場所では、そういう部分への気配りも大切だなと、今回旅をしていて思った次第です。
ムンバイに住んでいる間に、一度行ってみたかった場所がありました。アラブ首長国連邦はドバイです。ムンバイからは直行便で西に約3時間の距離で、その気になれば日帰りも不可能ではない距離なのです。日本からの時差は5時間、インドからは1.5時間です。
金曜日が祝日となったインド。この3連休のチャンスを利用してドバイを訪れました(このブログを書いているのは3日目の日曜日の午前です)。といっても、ドバイに来ることを決めたのは数日前。飛行機のチケットの確保とホテルの確保の後、現地に着いてからもネットで情報をかき集めながらの旅となりました。ちょっと慌ただしいですが、ガチガチに予定を組まず、その時の気分に合わせて動く旅もありですよね。
準備不足でも、カメラと衣類をバッグに入れて、パスポートを持っていれば大体なんとかなります。現金は現地の空港の ATM で引き出し、携帯電話も空港で現地の SIM カードを入手すれば電話とネットが開通です。現金と電話とネットがあれば、後は現地で大抵何とかなりますよね。それにしても、多くの国でビザ不要の日本のパスポートは本当にすごいです。
まだ8月のドバイとあって、日中は40度を超える気温で外を歩くのは大変でした。インドで暑さには多少強くなったかなと思いますが、さすがにこちらはまた次元が違いますね。もっとも移動の多くはバスやタクシーになるので、あえて外を出歩かなければ大きな問題はありませんでした。
ドバイ観光というとリゾートとショッピングのイメージが強いのですが、個人的にはそちらには興味が薄いので、初日は砂漠のドライブを楽しむことができるツアー(デザートサファリ)に参加してみました。砂漠のドライブといっても砂丘をかなりのスピードで登ったり降りたりするので、人によっては乗り物酔いになるくらいの迫力があり、4WD はまさにこのためにあるのだと実感しました。
砂漠ではちょっと風が吹いただけで、粒子の細かい砂が宙を待ってしまいます。サングラスをかけていても、その隙間から砂がよく目に入ってしまいました。中東の民、そしてラクダ、どちらもまつ毛が長いわけですが、納得です。そしてもちろんその砂は衣類の隙間にも入ってきます。中東の人々の定番である頭から下半身まで覆う民族衣装も、とても理にかなっているのですね。
砂漠地帯をドライブする途中は、所々でラクダの群れを率いて移動する人々の姿を見ることができ、そこで実際に暮らす人々の存在も実感できました。
ところで、こちらのツアーですが夜はバーベキュー付きでした。その会場のお土産屋さんでは砂を使った置物を販売していました。その場で、ガラスの小瓶の中にいろいろな色の砂を組み合わせながら、砂漠をイメージした絵と、自分の名前とラクダの絵を描いてくれるのです。
旅に出たら、モダンな観光もいいですが、現地の自然や暮らしを少しでも実感できると、思い出深い旅になりますよね。
今回の砂漠のツアーも本当に短時間でしたが、豊富に存在する砂を使って砂のアートをつくる様子や、過酷な自然環境と共存の道を模索した結果の衣装や生活スタイルから、ほんの少しだけですが、砂漠の民の姿を垣間見ることが出来ました。
以下、ご参考までにデザートサファリの概要です。
Dubai Desert Safari Tours: http://www.desertsafaritours.com/
275 AED (8,000円弱) で、砂漠のドライブ、ベリーダンスを見ながらのバーベキュー付き。希望者はラクダにも乗れます。滞在ホテルへの送迎付き。申し込みは電話もしくはメールにて。前日でも間に合いました。