インドに日本人はどれくらい住んでいるのか

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ムンバイに住んでいると普段の生活圏で日本人の方をお見かけするのは非常に稀で、こちらの日本人会関連のイベントに足を運んで、ようやく日本人の方とお会いできるというのが現状です。そこで実際にインドにどれくらいの邦人が住んでいるのか気になり外務省の統計を参照してみました。良い機会ですのでインド以外の状況も少し見ています。

以下は海外全体における海外在留邦人数の推移となります(海外在留邦人は、永住者を含めた3ヶ月以上の長期滞在者で、短期出張者は含まれません)。

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2012年で120万人を超える方が海外に住んでいますので、国民100人に1人が海外に住んでいるという計算。しかも日本人の総人口は既に減少傾向に入っている中、海外在留邦人は過去5年間で13万人増加しています。国内から海外へという傾向はデータとしても明らかですね。

 

国別に見てみると、トップ5はアメリカ、中国、オーストラリア、イギリス、カナダ。この5カ国で合計77万人と、全体120万人の6割近くを占めています。

インドはというと7,000人で国別では23位。全体の1%にも満たない割合でした。加えて、私が親しくしている友人たちが住む国であるシンガポール(11位)、マレーシア(12位)、ベトナム(19位)、ミャンマー(59位)も比較しています。

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国民の人口ベースではインドは中国に次ぐ世界第2位の国ですが、日本にとってはまだまだ圧倒的に「遠い」国であることが分かります。

一方で、これらの国の邦人数の2010年から2012年までの総数の増加率を比較してみたものが以下となります。

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マレーシアはこの2年間で2倍、ベトナムは1.3倍、インドは1.6倍、ミャンマーは1.2倍と、少なくとも増加率という点では上位5カ国に比べ勢いを感じますね(インドは2010年時点で4,500人だったのが2012年で7,000人)。絶対数ベースではまだまだですが、日本にとっての重点国の多様化、シフトを感じるデータです。

ちなみに同資料によると、2011年から2012年での総数増加率の上位5カ国は、マレーシア、インド、カンボジア、ベトナム、フランスとのことでした。フランスが入っているのは意外というか違和感がありますが、単年なのでたまたまランクインしたのかもしれません。

 

さて、インド国内での日本人の分布はというと以下の様になります。データはそれぞれの都市にある大使館、総領事館が担当する「地域別」での統計になりますが、住居者は各都市に集中しているはずなので、ほぼイコール各都市に住む邦人数と見てよいかと。

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圧倒的にニューデリーに集中しており、ムンバイはまだ1,000人程度です。ムンバイでは日本食材の入手がほぼ絶望的なのですが、この規模を考えれば仕方のない事かと思います。

 

さて、ここで冒頭の「日本人に会わない」というところに戻ると、ムンバイの人口は 1,200万人と言われていますので単純に計算すると日本人は1万人に1人もいないということになります。となると、やはり偶然に出会うというのはなかなか難しそうですね。