盟友ムンバイへ来たり(エンペラーの会) #1 – 序章
先週の木曜日夜から日曜日にかけ、日本から友人がムンバイに遊びに来てくれました。より正確に言えば、遊びに来てくれたというよりも、僕が日本にいた時から参加していたある密会(エンペラーの会)が今回インドを舞台に開催され、それに参加するために数名のメンバーが日本からインドに来訪してくれたというのが正確な表現です。
エンペラーの会とは何たるかについては割愛しますが、ある条件を満たしたメンバーが自主的に開催しているクローズドな交流の場で、基本的には月に一回、東京都内にて主に会食の場を設けています。しかし今回、つまり9月においては、僕がインドにいるということで、場所を東京からインドはムンバイに設定し今回の開催となったのでした。幹事は持ち回り制ですが、今回は当然僕になります。
今回のエンペラーの会(於インド)に参加してくれたのは、3名の友人。いずれもビジネスパーソンとしても優秀でとても多忙なメンバーですが、時間を割いて遥々ムンバイの地まで飛んできてくれました。ただし、一人は全日空、一人はシンガポールエア、そして一人はエミレーツと、全く別々の便での訪印となり、出迎え側としてはなかなかロジ設計に苦労しました。もう少し協調性があっても良さそうなものですが、そこはエンペラーの会のメンバーなので、期待は難しい部分だったかもしれません。それも含めて僕の幹事力が試されていたということでしょう。
さてエンペラーの会(於インド)。せっかくムンバイまで来てくれるので、どんなことを経験し、どんなことを学び取ってもらうのが良いのだろうかと、主催者としては結構マジメに考え悩みました。インド随一の商業都市ムンバイですが、実はあまり観光資源に恵まれてはいません。タージマハルに代表される様なインドが誇る世界遺産の多くはインド北部に点在しており、インド西側にあるムンバイの周辺にはあまり歴史的遺産が存在しないのです。したがって典型的な観光ツアーのようなものをムンバイで企画しても、面白い経験をしてもらうことは難しいと思っていました。
一方で、ムンバイの街には、インド人の暮らしが詰まっています。裕福なインド人から路上で暮らす人々、ヒンズーやイスラムを主要とする多様な宗教の混合、そして何よりも「カオス」と評されるインド人たちの独特の日々の生活のあり様。こうした「まさにこれがインド」と言えるような世界がムンバイには存在しています。エンペラーの会のメンバーはそれぞれビジネスパーソンとして優秀ですし、一人の人間としてもとても経験豊か。であるからこそ、下手な観光ツアーよりも、こうした「インドならではの世界」にどっぷりと浸かってもらう方が実りは大きいだろうと思いました。そして何よりそれはムンバイに住んでいる僕だからこそお見せ出来る世界。普通の観光パッケージツアーでは実現できません。それを念頭に、今回のエンペラーの会は企画させて頂きました。
結果から言うと、その趣旨に基づいた今回の試みは成功に終わったのではないかと思います。8年前インドを訪れた経験を持つあるメンバーはその時受けた衝撃と今回の経験とを比較しながら新しい学びを得てもらえたようですし、日本では饒舌なあるメンバーは慣れない言葉の壁もあってか極端に口数が少なくなり疲労困憊してもらえたようですし、またある別のメンバーは果敢にこちらのインド人の友人にぶつかり瞬く間にラポールを築いてくれたようです。数日間という短期間ではありましたが、訪れた甲斐があったと思ってもらえたと信じています。
彼らもブログで今回の旅について思うところをまとめてくれると思いますが、主催者としての僕の視点で、何回かに分けて、今回の企画を振り返ってみたいと思います。