より強い主体性が求められるインド

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週末、ようやくホテル暮らしが終わり正式な住まいへの引っ越しを終えました。アパートを見つけてからほぼ一ヶ月。平均的には2週間位で済むようなのですが、契約書の締結にあたって複数の関係者の間での最終調整にかなりの時間を要してしまいました。

その間、仕事と並行しながら、携帯電話、銀行口座、クレジットカードの契約も進めてきたわけですが、ここでは日本で暮らしている時よりも主体性がより強く求められるということを実感しています。

 

例えば日本では、クレジットカードを持ちたければ、発行会社に対し決められた手続きで申請を行えば、ほぼ何もすることなくカードが発行されます。申請内容に問題がなければ誰が申請しようともほぼ同じ期間で発行されますし、何か問題があれば問題がある旨についてカード会社から迅速に連絡が入り対応を促してくれます。

つまり、一度申請してしまえば、可能な限り最短のルートで先方が正しく処理してくれることを信じることができるわけです。

 

ところがインドでは、申請した後にその申請内容が正しく受理され手続きが進んでいるかどうか、申請者が主体的にフォローしながら必要があれば介入していくことが求められる様です。

例えば私の場合、クレジットカードの申請をしたものの1週間以上音沙汰がなく、問い合わせてみたところ、ほとんど何も進んでいなかったという状況を経験しました(実際に何も進んでいなかった証拠はありませんが、やり取りから推測するに、そうであったと思われます)。早く発行して欲しい旨を明確に伝えたところ、数日後にカードは発行されました。

もちろん放置していても一定期間後にカードが発行されたことは間違いないでしょうが、速やかに発行してほしいと思うならばその旨を伝えない限り、迅速な発行は保証されないのだと感じました。

 

今回1ヶ月の期間を要した住居の契約にしても、初期の段階から私がより細かくフォローしていればより短期間で事が進んだのではないかと思っています。住居を選定し契約をスタートしてからの1、2週間の間は、私も相手に任せただ待ってしまっていたのですが、遅々として進まない状況にさすがに焦り、入居希望日を何度も伝えた始めた頃から処理のスピードが加速していきました。

 

日本での暮らしに慣れている身としては、身の回りの物事の進捗に常に気を配りながら時に介入していくことは、なかなか疲れるところではあります。しかし、これがインドという社会で生きていく時に求められる基本姿勢なのだろうと思います。

言い方を変えれば、自分で責任をもって主体的に関与していかなければならない範囲が日本よりもインドのほうが広いということでしょう。これだけ多様な人々がいる国ですから、それも当然のことだろうと思います。

上記はあくまでも生活に直結した事例でしたが、仕事をする上でもその姿勢が求められることは容易に想像できますし、インド人たちはそれを当然の姿勢として日々発揮していくのだろうと思います。

そして結果的には、こうした環境で生きていくことで、「強い個」としての成長があるのではないかとも思っています。先日マイクロソフトの次期 CEO にインド育ちのインド人である Satya Nadella 氏が選ばれた様に、世界的に活躍するインド人が多い背景にはこうした環境要因もあるのではないでしょうか。

 

私もこうした環境の中で過ごすことで、少しでも成長していければと考えています。