盟友ムンバイへ来たり(エンペラーの会) #6 – エンペラー集合

これは「エンペラーの会インド編第5話」からの続きである。

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14:36、Facebook メッセンジャーに頭の回転以上に口の回転が速い男、マッチ帝から連絡が入った。

「いま到着! これから荷物ゲットしてホテルにむかうよ!」

どうやらインドに到着して早々、iPhone の国際パケット通信を駆使して連絡を入れてきたようだ。さすがコミュニケーション最速の男だけある。ムンバイ国際空港で「一時間ほどまごついていた」(羅王分析による)ザッキーニとの格の違いを見せつけてきた。

15:16 には「いまタクシーのったっす!」との連絡。

空港について 40 分後にタクシー乗車とは極めて順調である。インド初上陸ながら順調にハードルを越えている。ベンチャー企業経営層の一角として荒波に揉まれながらも成果を出してきた実力をいかんなく発揮している。今の時間に空港から移動を開始したとなれば、Colaba まで南下してホテルに着くのは 16:30 前後だろう。

その時、羅王とザッキーニは、エレファンタ島での観光を終え、遅めのランチをクマールと一緒に食べ終わり一旦ホテルに戻った頃であった。この頃、羅王は定例の OPP 活動(いわゆるアウトプット系の生理現象である)によりホテルのトイレに籠り、ザッキーニはトイレに籠った羅王を待っている状況であった。マッチがホテルに到着する頃には羅王の OPP 活動も下火になっていると思われる。僕はまだ仕事があるので、マッチの出迎えは羅王とザッキーニに任せる事にした。

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その後しばらく情報が途絶えてしまったため、彼らに何が起こったのか僕はよく分かっていない。これは夕方以降に皆と再会した時に聞いた話である。

どうやらマッチを待っていた羅王とザッキーニはあろうことか同時にお昼寝タイムに突入してしまった様である。マッチが連絡を取ろうにも全く連絡が取れなかったと聞いている。エレファンタ島の観光を終えランチをたっぷり食べた二人は、エンペラーとしての日頃の習慣なのか、後はよろしくとばかりに、同時に意識を失ってしまった様なのだ。

ところが正確な場所を二人から聞き出せなかったマッチは無事にホテルに到着している。もちろんタクシードライバーが近くに連れて行ってくれたのだろうと思う。しかし一帯は似たようなホテルが並んでおりすぐには分かりづらい。そして頼りの羅王とザッキーニは無意識状態である。話を聞くに、どうやら絶妙なタイミングで外を歩くマッチをクマールが見つけてくれたようなのだ。

もちろん僕はクマールにマッチの写真は見せた事がないから、クマールが知っているのはもう一人日本人が来るという情報だけだ。Colaba 地区は外国人比率が高く日本人、韓国人、中国人が歩いていることも少なくないのだが、羅王、ザッキーニがマッチを放置し熟睡する一方で、クマールが鋭い嗅覚を効かせてマッチを発見してくれたようなのだ。ありがとうクマール。

 

無事にマッチも合流し、今回のメンバー全員が揃った。僕も仕事を切り上げ 19:00 前に彼らと合流するために Taj Mahal Hotel と呼ばれるムンバイでは非常に有名は5つ星ホテルへ向かった。羅王、ザッキーニ、マッチそしてクマールたちがそこでお茶をしていのだ(なお、Taj Mahal とあるが、アグラにある世界遺産タージマハルとは直接の関係はない。Taj とは “crown” そして Mahal とは “palace” の意味である)。

ところが久しぶりのマッチとの再会を楽しみに Taj Mahal Hotel のカフェテリアへ向かって見たものは、僕の嫉妬心をかき立てる光景であった。なんと出会って 1,2時間程度のはずのクマールとマッチが既に意気投合しているのだ。

これまで何度か書いてきた様に、僕とクマールとはそれなりに良好な関係を続けさせてもらってきた。今年の1月、散歩中に出会って以来、月に一回ほどの頻度で彼のカレーをご馳走になり、また、彼のご家族、ご親戚の皆さんにも会わせてもらっている。その時は一緒にダンスまでした仲である。つまり半年以上の時間をかけ、彼との関係をじっくりと構築してきたのだ。

 

Cooking curry

4月終わり頃。クマールカレーをご馳走になる。
Fujifilm X-E1

 

ところがマッチはなぜか一瞬にしてクマールとのラポールを築いてしまっていた。

クマールとマッチの間で何が起こったのかは分からないが、出会い頭からマッチが怒涛のようにスベり技術をいかんなく発揮して圧倒的なアウトプットを続けた事は想像に難くない。インド人は話し好きであり、意思を明確に示す事に価値があると考える人々だ。その内容に納得できるかどうか、あるいは理解できるかどうかは次のステージで、まずはとにかくアウトプットしなければ始まらないのだ。量があり、その次に質がある。

その点、マッチは既に第一ステージ、すなわち量の部分は軽々とクリアしていたのだろう。クリアしていたというよりインド人のそれすらを凌駕していたのかもしれない。マッチも決して英語が流暢ではないが、日本語で話していても基本的にはスベり傾向が強く齟齬はつきものである。つまり日本語だろうと英語だろうと、結果的には大きく変わらないのだ。

考えてみてほしい。もし仮に自分が初めてインドを訪れたとしたらどうなるか。

辺り一面、こちらに熱い視線を送るインド人に囲まれ、蒸す様な暑さの中、インド独特の訛りのある英語であちこちから声をかけられるのだ。日本人であれば既にこの段階で弱気になってしまい口数少なくなるのも無理はない。まさにザッキーニがこうした症状にやられた典型例である。そしてクマールも当然これまで日本人たちを相手にしてきているから、そうした日本人のステレオタイプを持っているに違いないのだ。

ここにきて頭の回転以上に口の回転が速い男マッチの登場である。夜中に成田を発ちドバイ経由でインド入りし疲労しているにも関わらず、臆することなく圧倒的なアウトプットをかましてきたのだと思われる。何を言っているかは問題ではない。むしろ何を言っているかあまり分からない。しかしその圧倒的なアウトプット量に、これまでにクマールが接してきた日本人像を塗り替えてしまうインパクトを持っていたはずだ。

僕はマッチの驚異的なコミュ力、それを支えるスベり技術に心底感銘を受けながら、彼のクマールとのラポールに嫉妬していた。

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Taj Mahal Hotel でのティータイムも一段落し、19:30 を回った。遅めのランチを取った羅王、ザッキーニはまだお腹が空かないと言っているが、ムンバイに着いてまだ食事をしていないマッチはお腹が空いたし、僕も空いてきた。ということで羅王、ザッキーニのお腹が空くように、少し外を散歩してからディナーに行くことにした。

この後、再びマッチはその恐るべきポテンシャルを見せつける事になるのだが、それは次回に。

次の写真は Taj Mahal Hotel にて。今回インド訪問のエンペラー全員集合である。ここでもザッキーニのファッションがインド仕様でないことがお分かり頂けると思う。

 

FXT2442 X T1 XF23mmF1 4 R

Mumbai;
Fujifilm X-T1 with XF23mm F1.4R; Post-processed