盟友ムンバイへ来たり(エンペラーの会) #2 – 羅王インド着

9月18日木曜日、夕方5時。まだ若干の仕事を残しムンバイ国際空港へタクシーを走らせた。ムンバイはまもなくラッシュアワーの時間帯に突入。早めに動いておく必要がった。今の時間帯は、有料道路の Sea Link を経由しても空港へは1時間程度かかる。Black & Yellow Cab と呼ばれるローカルタクシーを捕まえたが、あいにく空港へ向かう途中で土砂降りの雨が降ってきた。Black & Yellow Cab は Non-AC cab (エアコンなし)との扱いになるため、基本的に窓を開けっ放しにして走る。雨が降ると窓を占めるのだが、閉めきってしまうとフロントガラスが曇るので、やはり窓は少し開いている。

ところが Non-AC といっても最近はエアコンが装備されているクルマも多い。したがって AC cab になることも可能である。この日、ドライバーは合計 700 ルピー払えばエアコンをつけてやるがどうだと提案してきた。しかし Yellow & Black Cab にしてはちょっと割高設定なので僕は安くしろと跳ね返した。しかし向こうも強気で値段を下げない。何度かの押し問答があったが、結局お互い折れることはなく、そのまま Non-AC cab として空港へ向かった。窓から雨が吹き込む中、僕はパソコンを開き仕事を継続し、ドライバーは僕以上に雨に濡れながら運転を続けた。彼が心の中で何を思っていたのかはわからない。 

空港についたのは18時前後。調度良い時間帯だ。ウェブで状況を確認したところ、その成田からの直行便はまもなく到着予定とあった。ARRIVALS と大きく書かれた空港の出口付近で待機。周りには到着した乗客を待つたくさんのインド人タクシードライバーたち。

いくら僕のような顔をしたアジア人が珍しいとはいえ、この人数であり、お互いスムーズに見つけることは難しい。だから入国したら携帯に電話をしてくれと彼には言っておいたのだが、何の連絡もなく一人出口付近に座る僕の目の前にふっと現れた。ハーフパンツにブルーのサングラス。そしてなぜか「ごめんなさい」と日本語で書かれたTシャツ。国内トップの成績を誇る優秀な営業マンであり、つい最近アイアンマンを完走した、マインド、メンタル、フィジカルいずれも一流の男。本人は自分を羅王と名乗っているから、ここでも羅王と呼ぶことにする。

やや話は逸れるが、羅王との出会いは2013年の4月末である。GW を利用して開催された鮒谷周史氏のセミナーに彼も参加していた。このセミナーは祝日にもかかわらず容赦なく3日連続で缶詰にされ、セミナーが終わる頃には世界が変わって見えるという精神と時の部屋のようなセミナーであるが(もちろんオススメである)、そのセミナーの初日にいきなり遅刻をぶちかましたのが羅王である。まったくもってドジっ子だなと思ったのだが、彼がイベントに遅れてきたのは後にも先にもその日だけであった。さすが一流の男だ。

その羅王だが、インドは初めてではない。8年前にプライベートで訪れている。その時は、特にお腹まわりを中心に、なかなか手強い経験をした様子だ。果たしてインドの8年間の変化は彼の目にどう映るのか、そして8年という年月を経て、彼のお腹まわりがどういった成長を遂げたのか。今回のムンバイ訪問で彼が何を見て感じるのか楽しみである。

今晩はもう一人の男がムンバイに到着する予定だ。しかし彼のフライトは21時45分到着予定。今からまだ3時間以上後になる。空港で待つというオプションもあったが、羅王に相談したところ、一旦空港を出てカフェで待たないかとの返答。僕もまだ若干の仕事が残っていたのでそれに賛同した。この判断を後に後悔することになるのだが、とにかく羅王がインドにいるということは喜ばしいことだ。

 

ここムンバイ国際空港第2ターミナルがオープンしたのは今年の頭。従って周囲にあまりカフェなどの施設がないため、近くのカフェまで歩くことにした。ところが、これはインドではよくあることなのだが、地図(Google Map)で表示された場所にその建物が見つからないことが少なくない。今回もその例に漏れず、あるはずのカフェがなかった。まさに典型的なインド事情だ。

その時、近くをオートリキシャーが通りかかり、乗っていけと声をかけてきた。ムンバイでは外国人が外を歩いていると、タクシーやらオートリキシャーやらが寄ってきて乗せたがるのだ。その割に、目的地が近すぎると乗車拒否をするというツンデレならぬデレツンな輩たちである。だから僕は声をかけてくるドライバーではなく、声をかけてこない淡白なドライバーの方が好きである。しかしカフェが見つからない以上、このまま歩いていてもどうなるかわからない。僕は自分が知っている一番近いスターバックスまでそのリキシャーで移動することに決めた。こういう時、ドライバーもしてやったりの顔をするが、ムンバイはちゃんとメーターを使って正規料金で走るので、特にしてやったりというわけではない。

8年ぶりのオートリキシャーに興奮し、買ったばかりの使い方をよくわかっていないカメラでブレまくった写真を大量生産する羅王を隣に、僕は再び地図を開き、スターバックスまでの道のりを確認した。近くはないけれど、せいぜい20-30分くらいだろうと予想した。ところがこれもまたインドではよくあることなのだが、地図で近いと思っても、必要以上に遠回りしなければならないことも少なくない。今回もその例に漏れず、なぜこんな道を進まなければならないのかと思うほどにオートリキシャーは道を遠回りし始めた。こういう時に限ってドライバーは英語を話さない。これは判断を誤ったかと思ったが時既に遅し。とにかく進むのみ。

かなりの時間が経過しさすがに乗車時間が長いと思ったのか、隣の羅王が色々と文句を言い始めた頃、目的地のスターバックスに到着した。結局オートリキシャーにて1時間ほどの時間を過ごしたのだと思う。インドではスタバに行くだけでもこうしたドラマがある。羅王はスタバに到着するなりネット接続を要求したため、僕は自分の iPhone 5 のテザリングを提供した。どうやら Facebook をチェックしているようだ。

こうしてインドを舞台にしたエンペラーの会は幕を開けた。写真はスタバに到着しご満悦の羅王。

Raoh

Mumbai; Ricoh GR